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インド・チャンディーガルの都市計画とは?建築物・家具についても解説

インド・チャンディーガルの都市計画とは?建築物・家具についても解説

モダニズム建築の理念を都市規模で実現したことで世界的に知られているインドの都市、チャンディーガル。著名な建築家であるル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレが深く関わり、20世紀を象徴する新しい都市づくりを実現しました。

この記事では、チャンディーガル誕生の歴史的背景から、都市計画の詳細、主な建築物、ジャンヌレによってデザインされた家具について解説します。


チャンディーガルの歴史

チャンディーガルは、インド北部のヒマラヤ山麓に位置する都市です。

1947年のインド・パキスタン分裂により、パンジャブ州が東西に分割された際、東パンジャブ州は、パキスタン側に編入されたラホールに代わる新たな州都を必要としていました。

その状況を受け、新しい州都チャンディーガルを建設することが決定しました。チャンディーガルの名前は、選ばれた場所の近くにある「チャンディ・マンディール」という寺院から由来しています。

チャンディーガルの都市計画は当初、アメリカ人建築家アルバート・マイヤーが設計を担当していましたが、不慮の事故によって途中でプロジェクトから離脱。代わって、ル・コルビュジエが都市計画を引き継ぎ、モダニズム建築の理想の具現化を目指して建設が進められ、それを実現しました。

2016年にチャンディーガルの建築物群が世界遺産に登録されるなど、20世紀の理想的な都市計画として、その歴史的価値が認められています。


チャンディーガルの都市計画の詳細

チャンディーガルの都市構造は、人間の体に例えられているのが特徴的です。行政機関が集まる州庁舎エリアを「頭部」とし、商業の中心地を「心臓部」、そして緑豊かな公園や人造湖を「肺」として捉えています。

これらに加えて、「知性」を象徴する文化・教育施設、そして「循環システム」としての道路網や「内臓」をイメージさせる工業地域が、計画的に配置されています。

チャンディーガルの基本構成単位は「セクター」と呼ばれ、それぞれのセクターは800m×1200mの近隣住区で構成されています。

これらのセクターは、商店、学校、保健施設などを含む自給自足型のコミュニティとして設計されており、それぞれのセクターの人口は規模と地形に応じて異なります。

また、チャンディーガルの道路システムは「7V」と呼ばれる7つのカテゴリーから成り立っており、高速道路から歩行者専用道に至るまで、目的別に細かく分類されています。

このシステムは、交通の流れを効率的かつ安全に管理するために設計されました。都市の中には、多くの緑地やレクリエーション施設が配置されており、市民の生活の質の向上も考慮されています。

その独特な都市計画で今日でも世界中の専門家や都市計画者から高い評価を受けており、都市計画の分野における革新的な事例として称賛されています。

モダニズム建築の理念を都市規模で実現した、20世紀の建築史における重要な成果の一つです。


チャンディーガルの主な建築物

チャンディーガルの主な建築物

チャンディーガルには、独創的な建築物が多数存在します。特に注目されるのは、キャピトル・コンプレックスエリアに位置する象徴的な建築物です。

ここには「州議事堂」「高等裁判所」「行政庁舎」といった政府の重要な建物が集まっており、それぞれがモダニズム建築の傑作として評価されています。

また、「開かれた手」と称される巨大なモニュメントや、「影の塔」など、視覚的にも印象深い作品が存在しており、これらは都市のデザインと文化の象徴となっています。

さらに、チャンディーガルには美術館や劇場といった文化施設も豊富にあり、これらもまた独自の設計思想を反映しています。


チャンディーガル家具について

チャンディーガル家具について

ピエール・ジャンヌレはチャンディーガルの都市計画の一環として様々な家具をデザインしました。

ジャンヌレは建築と同様に家具もシンプルで機能的なデザインを目指し、「X」字型や「V」字型など独特の形状が特徴的です。

椅子をはじめとするそれらの家具は、現地で入手できるチーク材や藤などの天然素材を用いて製作されました。

ジャンヌレは現地の工芸技術を大切にし、職人たちと密にコミュニケーションを取りながらデザインしたと言われています。

当時は大量に家具が必要とされたため、ジャンヌレの監修を受けない製品も多数作られましたが、本来のジャンヌレデザインは高度な技法を用いて手作りされたものだけがオリジナルです。

現在、きちんとした状態のチャンディーガル家具は極めて希少価値が高く、インド国外への持ち出しも禁止されています。しかしそのデザインを受け継ぐ工房での再現プロジェクトがあり、ジャンヌレの家具文化を次世代に伝えていこうとする試みが続けられています。


ジャンヌレのチャンディーガル家具に興味がある方へ

ジャンヌレのチャンディーガル家具に興味がある方へ

この記事ではインド・チャンディーガルの歴史的背景や都市計画の詳細、有名な建築物、チャンディーガル家具について解説しました。

PIERRE JEANNERET TOKYOではジャンヌレのチャンディーガル家具の復刻品を取り扱っております。

私たちの取り扱うチャンディーガルファニチャーは、ジャンヌレのオリジナルデザインと設計図を基にインドの工場で丹念に制作されています。

この工場では、ジャンヌレが遺した貴重な設計図や家具を大事に保管し、デザインオフィスで働いていた職人の子孫が、家具再現プロジェクトを指揮しています。

すべての商品は受注生産で、細心の注意を払いながら製作し、お届けしています。さらに、弊社では専門技術者によるアフターケアサービスや既にお持ちのジャンヌレ製品の修理や手直しにも対応しています。

ジャンヌレのチャンディーガル家具に興味がございましたらぜひ、商品ライトアップをご覧ください。


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